アジアや諸外国の成長を、どう自社に活かすか?
Tweet Check2023年 6月 5日 (月) ニュース&プレスリリース, 海外フランチャイズ, 調査報告 by nobu
アジアの成長が著しい。
上海や北京は、日本以上の勢い・パワーがある。
また、バンコク、ホーチミン、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラなども日本同等の経済水準であり日本以上の勢いがある、と感じる人が増えています。
国の豊かさの基準である一人当たりGDPにはまだ大きな差があるにもかかわらずです。
下の表は、アジアにおける1人当たりGDPランキング(名目、単位USD)と、購買力平価GDPの一人当たりのランキングです。
名目GDPは、国の経済活動を通貨の現在の価値で計測したものです。つまり、国内で生産された財やサービスの金額を通貨単位で表しています。名目GDPは経済の総量を示す指標であり、国の経済活動や成長を評価する際に使用されます。
購買力平価GDPは、国の経済活動を通貨の購買力を考慮して計測したものです。通貨の価値や物価レベルの違いを補正するため、異なる国の経済を比較する際に有用です。購買力平価GDPでは、同じ金額の通貨で買える財やサービスの量を比較することができます。つまり、国の実質的な生活水準を反映する指標と言えます。
購買力平価GDPを使うと、より生活水準に近いものになります。
日本は、シンガポール、香港はもちろん、台湾や韓国にも水をあけられており、マレーシアに迫られております。
しかし、この購買力平価GDPでも中国は日本の半分以下です。
その理由は、私たちが感じるアジアの国々は、多くは首都や大都市である一方、GDPは国単位で表現されてしまうからです。
いうなれば、農村部の経済や、レシートの無い個人消費(海外で飲食や買い物をしてもレシートの無い国・都市はまだまだ多い)はカウントされず、農村部人口の多いアジアやASEANの新興国の一人当たりGDPは農村部の人口も含めた一人当たりなのです。
世界比較で用いられる都市人口率(2023年)を下に示します。
例えば、ベトナムの場合、農村部人口が約7割にもなります。Chinaにしても、約5割は農村部人口です。
※国連機関の調査なので、残念ながら「台湾」の記載がありません。
都市人口率
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|
シンガポール
|
100%
|
香港
|
100%
|
韓国
|
82%
|
日本
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92%
|
マレーシア
|
73%
|
中国
|
53%
|
タイ
|
48%
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インドネシア
|
52%
|
モンゴル
|
70%
|
ベトナム
|
32%
|
フィリピン
|
45%
|
インド
|
32%
|
ミャンマー
|
33%
|
都市人口一人当たり購買力平価GDP
私達がアジア各国の首都に降り立ったときの感覚を正しく表現するにはどうしたらよいでしょうか?
私達は都市人口一人当たり購買力平価GDPという指標を開発しました。
正確には、購買力平価GDPを都市人口だけで割ったものです。
購買力平価とは、簡単に申せば生活水準の比較をしやすくしている計算式で、物価上昇と為替を考慮した数値です。
主要国の一人当たりGDP (名目)
-
一人当たり購買力平価GDP
-
都市人口一人当たり購買力平価GDP
上記のように表示しますと、感覚と近いものになります。
この発想で、他の国々も見てみましょう。
都市人口一人当たり購買力平価GDP(2022)
|
|
シンガポール
|
127,496
|
香港
|
69,183
|
韓国
|
65,326
|
日本
|
53,027
|
マレーシア
|
46,936
|
タイ
|
44,122
|
ベトナム
|
41,115
|
中国
|
40,233
|
インドネシア
|
28,109
|
カンボジア
|
27,567
|
インド
|
26,037
|
ネパール
|
24,167
|
フィリピン
|
23,520
|
バングラデシュ
|
21,705
|
モンゴル
|
20,293
|
パキスタン
|
18,230
|
ミャンマー
|
14,681
|
更に、一人当たりGDPが日本の過去の歴史に似ているときは、いつ頃なのかを見てみましょう。
実は、アジアの国々全て、少なくとも都市部は過去の日本と同等の水準になっているのです。
昭和40年の日本ではなく、1980年代の日本です。
少し前の日本の姿がそこには存在します。
そして、それらの国々のGDP成長率は5〜7%という水準です。
7%成長を10年連続すると、どうなるか?
107%の10乗です。1.07を10回かけると、2を超えます。7%成長を10年続けると2倍になるのです。
一人当たりGDPが2倍になると、所得が2倍になるとほぼ等しい。10年で所得が2倍になる_まさに所得倍増計画 高度経済成長の日本が、そこにはあるのです。
誰もが、明日は今日より良くなる。来年は今年よりも良くなると信じて疑わない世界があるのです。
私達日本人、と、申しましても年代によって随分感覚に差があると思いますが、経営者層の皆様方には、是非お考えいただきたいのが、皆様の事業を是非この成長あふれる市場で試してみませんか?
ということなのです。
先日、あるセミナーに参加しておりましたら、その講師も海外市場に攻めましょう ECで というお話でした。
確かにECも良い方法かも知れません。
しかし、私がおすすめしたいのはフランチャイズです。
フランチャイズが何故良いのか?
ご存知のように、日本も1970年代から海外の様々なビジネスが日本に入ってきました。
アメリカ発のビジネスは、ほぼフランチャイズで入ってきました。
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コカ・コーラ
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セブンイレブン
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McDonald
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ケンタッキー
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ディズニーランド
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シェラトンやハイアットといったホテル
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スターバックス
全てフランチャイズで入ってきました。
成長するであろう日本市場に、アメリカはなぜ直営で入ってこなかったのでしょうか?
それは、郷に入れば郷に従えで、独特な日本市場の攻略には日本人経営者が良い、日本企業が良いという判断でした。
結果は、誰もが知ることです。
有名な話では、イトーヨーカ堂の鈴木敏文専務(当時)が惚れ込んで、セブンイレブンの日本進出を決め、その後も経営にまい進、藤田田氏が惚れ込んでMcDonald’sを日本で広げました。
日本企業、日本の経営者の中で海外のブランドにほれ込んで、情熱をかけて日本で展開したから、成功したのは、紛れもない事実です。
もし、アメリカから青い目の社長が降り立って陣頭指揮を執っていたら、独特な日本市場の攻略は出来たでしょうか?
同じことは、日本のビジネスの海外展開にも言えることです。
日本人からすれば、アジアもASEANも海外全て、独特な市場です。そこで打ち勝つノウハウは日本人にはなかなか持ちえません。
ゆえに現地の企業や経営者で、自分のブランドに惚れ込んでくれる人や企業に、自分のブランドのその国での展開を託す・これがフランチャイズなのです。
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