2022年からのインバウンドを考える

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2022年 5月 24日 (火) インバウンド, ニュース&プレスリリース by nobu

インバウンド2.0 2022年からのインバウンドを考える

焼肉が2019年対比で大きく売上減なのは何故か?

皆様に配信している情報の中に、日本フードサービス協会発信の「外食産業市場動向調査」においてコロナ前の水準との比較を見ていくと、コロナ禍での外食優等生のはずの「焼肉」が、2019年同月対比で85.4%の売上(店舗数は100.9%)という。

2019年3月対2022年3月外食産業売上

業態別の2019年3月対2022年3月外食産業売上

コロナ禍ではアルコール系飲食店から焼肉店への業態転換をする店舗が増え、確かに焼肉店の競争が激しくなったと言うので店舗数微増は理解できるが、コロナ禍前対比で15%ダウンとは納得がいかない。

2019年同月対比で売上15%ダウンの真意については、「?」が残る。何故なんだろう?

 

焼肉ダウンの理由は、インバウンド需要にあった

コロナ禍前の日常について、もう遠い昔のこととなってしまっているかもしれませんが、コロナ前の日本の外食産業を大きく下支えしていたのが、インバウンド需要であったことを思い出していただきたいと思います。

インバウンド需要は、目で見える外国人の数の多さや、店舗経営者にしてみると肌感覚での存在感は大きかったものの、全体として外食産業にどれだけの影響があったのか?が分かりませんでした。日本人の焼肉店利用は、コロナ禍後に明らかに増えています。それでも15%ダウンというのは、少なくとも15%が丸々インバウンド需要であったことが推察され

今回の減少分が数字として、売上減という具体的な金額イメージが見えてくると、インバウンド需要の大きさに改めて驚きます。

 

そこで、今月は、コロナ後に復活するであろうインバウンド需要についての情報を改めて整理してお届けします。

2020年1月29日発信 2019年訪日外国人観光客消費動向調査【超速報分析】

コロナ禍直前に発信していた情報に、2019年のインバウンド需要の変化を報じました。その変化とは、訪日外国人観光客が一番好きな日本食としてアンケート回答しているのが、それまでのラーメンから焼肉に変わったのということでした。

インバウンド外国人の好きな日本食2019年

インバウンド外国人の好きな日本食2017年 ラーメンが日本食の代表選手です

 

 

国別好きな日本食2015年~2019年

2015年から2019年までの国別インバウンド観光客の好きな日本食の変遷

この表は、2015年から毎年報告されていたアンケート結果の中の「好きな日本食」の部分だけでを国別に時系列に比較できるように加工したもの。これを見ると各国での日本食の流行りの移ろいが見て取れる。


インバウンドはバブルと消えたのか?

2014年の秋以降、東南アジアや中国からの観光客のビザ緩和が始まりました。その法改正が、あのインバウンドバブルの始まりでした。

それまでの海外、特に東南アジアや中国からの観光客は、事前に日本大使館にビザ(査証)の申請を行いビザ取得したうえでの旅行開始であり、手間と時間とお金のかかるものでした。

事実、アセンティア・ホールディングスの海外フランチャイズ支援のビジネスも、その当時までは、「アジアにフランチャイズを広げるなら、先ずシンガポールに直営でショールームを出しましょう」が口癖でした。

2010年にアセンティア・ホールディングス社長の土屋晃はシンガポールに移住し、進出支援を開始しましたが、最初の海外案件となる「サンマルクカフェ」や、「ばり馬ラーメン」を2012年にシンガポールに日本のフランチャイズ本部の直営で出店したのは、既にシンガポール空港がアジアの主要なハブ空港になっていて、加盟候補の東南アジアの経営者が簡単に渡航することが出来、視察が出来るということからでした。当時までは東南アジアの人々には日本政府は簡単に観光ビザを発行しておらず、容易に渡航できない事情がありました。

実際のところ、サンマルクカフェも、ばり馬ラーメンもシンガポールのショールーム構想の影響もあり、その後数年で20店舗、30店舗と海外フランチャイズ広げることが出来ました。

 

さて、そのビザ緩和によって、日本への入国が楽になってくると、何もシンガポールの店を見るまでも無く、日本のお店を視察出来るようになりました。更に、豊かになった東南アジアや中国の人々が大挙して日本を訪れるようになり、様々な体験をされるようになりました。

 

「日本の食・サービスを世界に」と目指していたアセンティア・ホールディングスにとって嬉しかったのは、こうして増えていく海外からのインバウンド観光客の方々が総じて「日本の食が良かった」と感想を残していることです。

これは、観光庁がインバウンド観光客に対して、「訪日外国人消費動向調査」というアンケート調査を詳細に実施している結果からも見て取れました。

そもそも、「日本に旅行に行く!」ときの主要目的の一つが「日本食を食べるため」ということが分かりました。

 

「美味しいものを食べに●●へ行く」・・・確かに日本でも美味しいものをたべに遠出するということがありますが、まさにそんな感覚で日本旅行を楽しむようになっていたのが分かります。

 

訪日外国人数も毎年毎年目標以上の数となり、様々な業界にインバウンド特需があったものの、2020年1月からの怪しい雲行き、3月の緊急事態宣言で一気に様相が変わりました。

それから2年半。

今また、外国人観光客の受け入れ再開が計画されておりますが、再開し再びインバウンド観光客が戻ってくるか?戻って来るまでに私たちにはどのような準備が出来るのか?を過去の事実から振り返って行きたいと思います。

 

コロナ後を見据えて2015年からの訪日外国人消費動向調査を振り返る

 

 

目次

2015年10月15日発信 訪日外国人観光客が使うお金4300億円

2016年3月7日発信 外食産業はこの重要性にまだ気付いていない

2016年4月7日発信 外国人観光客の満足№1日本食が、ラーメン

2016年7月29日発信 なぜ、あの店には外国人が溢れ、うちの店にはゼロなんだろう?

2017年2月1日発信 訪日外国人2400万人の消費実態から見えてくる可能性

2017年2月5日発信 超速報!観光庁よりも早い訪日外国人消費動向調査報告

2017年6月26日発信 Trip Adviser 外国人に人気のレストランランキング2017分析

2017年8月4日発信 改めて訪日外国人観光客ビジネスを考える

2018年1月18日発信 【超速報】インバウンド消費4.4兆円!訪日外国人消費動向調査

2018年7月24日発信 速報:訪日外国人消費動向調査2018年前半

2018年12月18日発信 本日、訪日外国人3000万人突破

2019年4月10日発信 ラーメンが首位陥落!2018年訪日外国人消費動向調査

2020年1月29日発信 2019年訪日外国人観光客消費動向調査【超速報分析】

 

インバウンド需要への備え

仕事柄海外へ多く旅する我々からしても、日本には地球上の全ての人々を魅了する魅力にあふれていることを実感します。それは自然もそうですし、歴史や文化、日本人の国民性、そして何より日本食が、世界に類を見ない多様性に富んでいるからです。

コロナ禍で、世界中の人々が健康志向になりました。

そして、日本は世界一の長寿国です。世界から見ると、日本人が長寿なのは、気候と食事だということになります。日本食の魅力は更に高まるのです。

コロナ禍がいつ終息し、いつインバウンド需要が戻るかは不明です。

しかし、日本の成長産業が「観光」であることは、コロナまでのインバウンド需要の急拡大が証明しています。

インバウンド需要への備えに関しても、アセンティア・ホールディングスでは様々な情報発信を続けて参ります。

その他のインバウンド情報はコチラ

https://blog.assentia-hd.com/inbound2.0

海外進出事例はコチラ

https://fc.assentia-hd.com/ja/experience


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