外食産業はこの重要性にまだ気付いていない
Tweet Check2016年 3月 7日 (月) インバウンド, ニュース&プレスリリース by nobu
外食産業はこの重要性にまだ気付いていない
観光庁が1月に発表した平成27年訪日観光客消費動向調査の速報を勝手に分析しました。
各四半期9200名の訪日観光客に対面式でアンケートをとってまとめているのが「訪日観光客消費動向調査」です。2015年1~12月では、アンケート調査の結果、推計値ですが3兆4000億円のお金を外国人観光客が日本で使ったとのことです。(事前に購入しているパックや航空券代金は除く)
その速報をとりまとめ、年間集計が発表される前ですが、四半期ごとの発表を独自に年間集計して分析をしてみました。(このページに記載のデータは全て観光庁の訪日観光客消費動向調査から抽出したものです)
すると、
・予想通りの結果と
・予想を上回る結果
・そして海外に行って不思議に思っていたことの裏づけになるようなデータ
が出てまいりましたので、ご報告申し上げます。
予想通りの結果
1)平成27年の訪日外国人旅行消費額(速報)は3兆4,771億円となり、年間値で初めて3兆円を突破。前年(2兆278億円)に比べ71.5%増。
2)訪日外国人旅行者の1人当たり旅行支出(速報)は17万6,168円(前年比16.5%増)。
3)訪日観光客の一番の目当は、「日本での食事」。
H27年一年で訪日客の外食支出は6420億円と推定されています。
→日本の外食産業に非常に大きな影響を及ぼしている事実
予想を上回る結果
1)好きな日本食ランキング(各国合計)では、1位ラーメン、2位肉料理、なんと寿司は第3位です。ラーメンが1位に来るほどに、外国人がラーメン好きだとは思っていませんでした。
2013年のJETROと農林水産省が、海外の外国人消費者調査をした結果では
1位寿司、2位焼き鳥、3位天ぷら、4位ラーメンでありましたので、なお更です。
2)何よりも、予想を超越していましたは、
中国以外の全ての国において、日本訪問の『事前に最も期待していたこと』が「日本食を食べること」なのです。
翻って、私たち日本人が海外旅行へ行く際に、「食事」を最大期待事項にするでしょか?
「食事も」ではないでしょうか?
確かに、フランスに行く理由はフランス料理やワインを愉しむためにということが主目的になるのかもしれませんが、中国人以外全ての国の人が「日本食を食べること」と掲げてくれているのは事実です。
私たちは私たちの価値を過小評価しているのではないかと思ってしまいます。
◆◆◆不思議に思っていたことの裏付け◆◆◆
日本への訪問客には大きく分けて
・欧米の先進国
・アジアの新興国
という区分になりますが、旅行に対する期待に関しては、綺麗に先進国と新興国で差が出てきました。
アンケートでは次に掲げる20項目に関して、
・訪日前に事前に期待していた事柄は何か?
・訪日前に、最も期待していた事柄は何か?
・次回日本に来たときにしたい事柄は何か?
という三種類の質問をしている。
1.日本食を食べること |
2日本の酒を飲むこと(日本酒・焼酎等) |
3.旅館に宿泊 |
4.温泉入浴 |
5.自然・景勝地観光 |
6.繁華街の街歩き |
7.ショッピング |
8.美術館・博物館 |
9.テーマパーク |
10.スキー・スノーボード |
11.その他スポーツ(ゴルフ等) |
12.舞台鑑賞(歌舞伎・演劇・音楽等) |
13.スポーツ観戦(相撲・サッカー等) |
14.自然体験ツアー・農漁村体験 |
15.四季の体感(花見・紅葉・雪等) |
16.映画・アニメ縁の地を訪問 |
17.日本の歴史・伝統文化体験 |
18.日本の日常生活体験 |
19.日本のポップカルチャーを楽しむ |
20.治療・健診 |
回答を見ると、
17.日本の歴史・伝統文化体験
に関心を持つのは、先進国のみ
7.ショッピング
に関心を持つのは、新興国のみ
という予想を裏付ける結果となりました。
モノからコト(経験)へ、観光のテーマが移ると言われていますが、本国の経済成長・発展に準じて変化することが、裏付けられた結果となりました。
ただ、繰り返しになりますが、期待の上位に常に「日本食を食べること」が全ての国に入っています。
これは、日本の食こそが、最大の観光資源であることを裏付けることになります。
その重要性に、外食産業の皆さんは気付いているでしょうか?
3/9-11のフランチャイズショーに出展します
訪日観光客向けフランチャイズを紹介するブースです
その他のインバウンド情報は、コチラ
https://blog.assentia-hd.com/inbound2.0